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TPP参加より日本の不動産取引が変わる!?

日誌をご覧いただいている方、こんばんは。高倉です。
本日はやや乗り遅れ感満載の話題ですが、TPP参加と日本の不動産流通について。

 

TPP参加により日本の不動産取引が変わる!?

農業や医療業界など、日本のTPP参加による様々な議論がここ数年繰り広げられていますね。
このTPP参加は不動産業界にとっても、まったく無関係という訳ではありません。TPP参加は少なからず、もしかするととても大きく、日本の不動産業界を変化をさせる事になるかもしれないと言われています。
例えばどのような変化が起こる可能性があるのか、個人的に思う例を挙げてみましょう。

 

情報の一般公開(透明度の上昇)と付随情報の一元化

例えば、アメリカにはMLSというサービスが存在し、そこに市場に出回っている不動産情報や成約事例等が丸ごと登録されています。言ってしまえば、日本のレインズのようなものですね。しかし、このMLSというサービスの凄いところは、レインズのような物件の情報や成約事例のみではなく、日本では法務局や都税事務所等で取得しなければならない登記情報、固定資産税、学校学区、商業地域、エリア住民の所得水準、過去に犯罪を犯した人の居住率まで一元化してMLS上で情報が取得が出来るという優れものらしいのです。
日本の不動産売買においては不動産に付随する情報や書類の管理先が細かく分かれており、消費者や不動産会社は色々な場所へ行って情報や書類を取得せねばなりません。それがMLSではその手間が省けてぐっと楽になるというのですから、素晴らしい事だと思います。

また、日本のレインズは不動産会社のみが閲覧できるようになっています。MLSについても専門のライセンスを持った人しかデータベースを閲覧する事は出来ないらしいのですが、アメリカにはMLSの他にも同様のサービスが複数存在し、それらは一般の消費者でも閲覧が可能だと言います。日本ではレインズの閲覧に制限があるため消費者と不動産会社の間には大きな情報格差がありますが、アメリカでは一般の消費者自身もデータベースを閲覧できるとの事なので、不動産流通に関する透明度が日本に比べて非常に高いと言えますね。
TPP参加により日本でも消費者が物件情報データベースを閲覧できる日が来るかもしれません。

 

両手取引の禁止

アメリカでは、仲介業者が売主と買主の双方から仲介手数料をもらう『両手取引』が禁止されています。そもそも、売主は少しでも高く売りたい、買主は少しでも安く買いたい、という相反するそれぞれの希望がある中で1社のみの仲介会社が仲介する事は、売主・買主それぞれの利益最大化を実現することができず、ともすればどちらかに有利なように(または仲介会社に有利なように)仲介会社が情報操作をしたり価格決定において誘導を行う可能性があります。

また、日本では禁止されていないこの両手取引における弊害として、売主から物件を預かった不動産会社が自社で顧客を見つけて売主・買主双方から仲介手数料を取るために、他の不動産会社に物件情報を公開しない(レインズに登録するが不動産会社から問い合わせがあると、募集中であるにも関わらず既に商談中である等のアナウンスをする)などの行為を行う可能性があります。
一般的には、他の不動産会社にも広く物件情報を公開し購入希望者を連れてきてもらったほうが、当然物件は早くそして高く売れる可能性があります。しかし、他の不動産会社が買主を連れてきてしまうと、売主から物件を預かった不動産会社は売主からしか仲介手数料をとれなくなってしまうため、早く高く売れるという売主の利益よりも自社利益を優先するのです。結果として、物件が売れるまでに長くの時間を要したり、値下げをしなければならないケースが発生してしまいます。

仮にTPP参加によって不動産業界のルールが変わり両手取引が禁止されてしまえば、不動産会社の自分本位な営業姿勢により売主が知らないところで思わぬ弊害を受ける可能性は低くなります。または、両手取引自体が禁止とならなくても、アメリカのように物件情報データベースに誰でもアクセスでき、常に物件ステータスを確認できるような状態であれば、売主は自分の物件がきちんと公開され募集されているか確認する事も可能です。日本では両手取引が認められている&物件情報データベースを不動産会社しか閲覧できないという、この2つが組み合わさることによって、アメリカと比べて公平な取引が行われているとは言えない状況にあるのですね。

 

専門家との提携強化

日本で不動産の査定を行う際、多くの方が不動産会社に査定を依頼すると思います。また、中古住宅の引渡の際にその物件に瑕疵がないかどうかをきちんと確認する作業は少なく、売主が申告した物件状況報告書や付帯設備表によって判断したり、瑕疵担保責任を負わないとする契約も多く見かけます。
例えば、アメリカの例を見ると不動産の査定にはアプレイザーと呼ばれる査定専門家が存在し、瑕疵についてもホームインスペクターと呼ばれる専門家が住宅を細かくチェックします。不動産業者によってバラつきのある査定方法・査定価格ではなく、アプレイザーに査定をお願いする事で統一基準のもと正確な物件価格を知る事が可能です。また、ホームインスペクターの調査の結果、欠陥や設備不良が見つかった場合、買主は売主に対して値下げの交渉や修繕をリクエストする事ができ、売主がそれらを拒否した場合にはキャンセルできる事が一般的です。

不動産取引は非常に複雑ですから、このように様々な分野の専門家と連携する事で、アメリカにはより良い不動産取引を行う事のできる環境が整っていると言えるでしょう。日本にも不動産鑑定士や瑕疵に対する調査機関が存在していますが、個人所有不動産の売買における専門家との連携度を比べると、まだまだ日本では環境が整って言えるとは言い難い状況です。
TPP参加によってこれらの常識も変わってくるかもしれませんね。

上記で挙げた以外にも、賃貸市場においては礼金や更新料という慣習が無くなったりと、TPP参加がもたらし得る不動産業界への影響は多々考えられます。
しかしながら、TPPに参加したからと言って簡単にこれらのルールや仕組みが日本の不動産取引市場に浸透するとは考えにくいのも事実です。特に、データベースの一般公開や両手取引の禁止等においては業界から大きな反発があるでしょうし、礼金・更新料の廃止についてもオーナー業をしている人にとっては好ましくないものでしょう。

ですが、これらの状況が全て整って初めて、消費者にとってより良い不動産取引の環境が整うと言えるのかもしませんね。個人的には上記のようなルールや仕組みの導入は大歓迎です。

少し話が逸れましたが、TPP参加による不動産取引市場への影響について個人的に考察してみました。最後までお読みいただきありがとうございました。

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